倫理憲章
平成18年5月22日
社団法人 日本住宅建設産業協会

充実し安定した住生活は、個人とその家族にとって健康で文化的な生活の基本であり、また活力のある健全な社会の基礎である。わが国は、これまでの営々たる努力により住宅の量的充足が達成された一方、今後の少子高齢化の急速な進展に伴い人口、世帯が減少していく社会に向かうなど、住宅を取り巻く社会の潮流は大きく変化しつつある。居住ニーズの多様化、高度化が強まるとともに、耐震性、耐久性の向上、広く良質な住宅と快適な住環境での暮らし、省エネルギーへの対応をはじめとして安心で豊かさを実感できる住生活の実現への要請が一段と高まってきている。
 このような趨勢を踏まえて新たに制定の運びとなった住生活基本法においては、基本理念として、「現在及び将来の住生活の基盤となる良質な住宅の供給」、「住民が誇りと愛着を持つことができる良好な居住環境の形成」、「民間活力、既存ストックを活用する市場の整備と消費者の保護」、「居住の安定」が掲げられた。さらに、国、地方公共団体のみならず住宅関連事業者に対してもその責務が明定された。
当協会は、それぞれが30年以上の歴史を持つ3つの社団法人が統合して設立された。上場企業を含む成長性の高い中堅企業を中心に構成される全国規模の住宅建設、不動産業者の団体として、多方面にわたる活発な活動を通じて新しい住文化の創造、総合的な住まいの産業の確立等に努め、わが国の住生活の向上に多大な役割を果たしてきた。
 今般、住生活基本法の制定を契機として、当協会は、会員が住宅を供給する事業者としての社会的責任の重大性を再認識し、社会からの信頼の確立のためその事業活動にあたって法令やその他のルールを遵守することはもとより自らを律し守るべき次の10の指針を倫理憲章として定めるほか、別に企業行動理念を定める。

(社会的使命の自覚と信頼の確保)
1.会員は、国民への良質な住宅の供給と良好な住環境の実現を図る使命と責任を深く自覚し、事業に誇りを持ちつつ、広く社会と顧客の信頼と評価を得られるよう努める。

(法令等の遵守)
2.会員は、事業の遂行にあたっては、法令を遵守するとともに本憲章を尊重する。

(住宅関連事業者としての責務)
3.会員は、住宅の安全性その他の品質、性能の確保を図るため、住宅の設計、建設、販売又は管理に当たってそれぞれ最も適切な対応を行う。

(正しい情報の提供と顧客の満足の確保)
4.会員は、事業活動に係る住宅及びその取引に関して、正確かつ適切な情報の提供を行うとともに顧客の相談に誠実に応じ、満足と信頼が得られるようプロフェッショナルとして的確なアドバイス等を行う。

(安全確保に係る専門的意見への配慮)
5.会員は、建築物の設計者及び工事施工者による住宅の安全性の確保に係る専門的意見については、特にこれに配慮して事業を遂行する。

(環境問題への取組み)
6.会員は、地球温暖化等の環境問題に対する取り組みが重要な課題であることを認識して、断熱性の向上など環境に配慮した住宅の提供その他の技術、工法の開発に積極的に取り組む。

(責任の履行)
7.会員は、予見できない事情等による取引の相手方に対する法的責任の発生に備えて、その責任の履行に遺漏なきよう必要な措置を講ずるよう努める。

(顧客情報の保護)
8.会員は、個人情報保護法の遵守はもとより業務上知り得た顧客に関する情報は慎重かつ適切に取り扱う。

(会員間の公正な競争)
9.会員は、他会員との間においては、公正な事業活動による信義に則った競争を通じて相互の健全な発展に寄与するよう努める。

(経営トップの責務)
10.経営トップは、本憲章の実現を経営理念の基本として率先して行動するとともにコンプライアンスの社内システムの構築を図る。

企業行動理念
平成18年5月22日
社団法人 日本住宅建設産業協会

当協会の目的は、住宅産業の健全な発展と国民の住生活の向上並びに公共の福祉に寄与することである。会員は「住まいは文化である」との認識を一にし、密に連携し、互いに切磋琢磨し所期の目標達成を希求する。会員は事業展開にあたり、プロフェッショナルとして強いコンプライアンスマインドと高いモラルを保持して社会の環境・構造変化に対応し、国民のニーズに適合していくことが求められる。
 このたび当協会で倫理憲章を定めるにあたり、会員の事業展開に際して以下のとおり企業行動理念を定める。

1.住まいは文化である
 住まいは全ての人間生活の土台であり安全・安心が不可欠である。また住まいは個々人の様々なニーズに適うことが求められる。住まいは集まって、個々と調和しつつ街並みを形成し、人の社会生活の基盤となり、適切な維持管理と相俟って快適で景観に優れた持続可能な社会インフラとなることが望まれる。
 住まいは人間生活を支え進化させて、そこに新たな文化が創られる。会員は、まさに「住まいは文化である」との認識を一にして、その事業展開を行う。

2.事業経営のあり方
 会員は住宅産業の一員としてその責務を認識し、新しい文化創造の担い手との自負をもって、次の理念に基づき、その事業を通じて国民の住生活の向上に資する。

(1)専門性の発揮と責務
 常に切磋琢磨し専門性の発揮とその向上に努めるとともに、プロフェッショナルとしての高いモラルを保持して事業と企業の存在価値を高める。

(2)遵法と適正取引
 法令等を遵守し、公正・透明な自由競争を通じて適正な取引を行う。

(3)顧客本位
 顧客が有ってこその事業である。事業と企業の土台を確かなものにするよう、住宅の設計、建設、広告、販売、管理等、「住まい」関連取引の全ての局面で顧客本位に対応し顧客の満足と信頼を得る。

(4)変化への対応
 時代や社会の変化に対応し多様化するニーズに適うよう事業経営を行い、事業と企業の発展に努める。

(5)安全・安心のための内部監査体制
 会員の責務として、各自が住まいの安全・安心のためのチェックポイント等を定めると併せて自らフォローする内部監査体制を構築し、事業と企業の信頼を高める。

(6)環境への配慮
 省資源・省エネルギー、廃棄物の減量化、リサイクルの推進等により地球、地域の環境に配慮した事業展開を行う。
 これは次世代への責務であると同時に事業開発の好機であり、新しい文化創造への挑戦である。

(7)国際的視野
 良き伝統・慣習を維持すると共に国際的視野を持って事業展開を行う。同時に国際的な事業においては、遵法はもとより現地の発展に寄与するべく努める。
 これは創造的かつ効率的な事業展開への取り組みであり、新しい文化の導入である。

3.倫理憲章・企業行動理念の実践
(1)役職員一丸となった実践
 経営トップのリードの下、倫理憲章・企業行動理念を組織内に浸透させるとともに働きやすい環境を確保して、各自の能力を活用し創意工夫を凝らして倫理憲章、企業行動理念に適った事業展開を行う。

(2)協会活動への積極的な参加
 協会活動に積極的に参加し、意見交換・情報収集等協会活動を活用して倫理憲章、企業行動理念に適った事業展開を行う。

(3)倫理憲章、企業行動理念違反への厳正な対応
 倫理憲章、企業行動理念に反するような事態が発生した時には、経営トップ自らが、原因究明、再発防止に努め、厳正な処分を行うと併せて社内外への迅速かつ適正な説明を行う。

以 上